THE遅刻常習犯・通勤ドタキャン・注意、下ネタあり

 まだ、携帯電話が無い時代、たまに父が家に帰って来て、暴れ出した。

 私は昼12時からの仕事だったので、母がサンダル持って、私の部屋に避難して、鍵を掛け、10円を渡して、

「会社に今日休むと、連絡して」

と、靴が無い私の代わりに近くの公衆電話から、母が娘が今日休みます、と、連絡して、社員は

「のぞ美さん、いきなり休むだなんて、信じらんない」

等、非難GO!GO!だったが、課長だけ、私の家の事情を察してくれていたようだ。

 課長からは一度も怒られた事がない。と言うか、私に直接、注意したのは5つ年上のE主任だけだった。

「中田さん、なんで遅刻するの!?」

「海があまりに美しくて、見とれていたら、私の時計は止まったままでしたが、世の中の時計は進んでいたのですね」

とか、

「風が強くて後ろ髪が引かれて前に歩けなかった」

等、言っていたら、流石に注意しなくなった。

 事実を言っても、家で父親に暴れられた事の無い人が解る訳がないので、詩を書く身として、センスある返事がしたかった。

 男性社員が、嫌みったらしく、

「遅刻は社会人として失格だものな~」

に、直接言えなきゃ黙ってろよと、絶対謝らなかった。

 私は仕事が出来ない、やらないのに時間通り来て、帰って行く人より、15分遅れて来るのだけど、猛烈に働いて、仕事が出来る、する人を社長なら選ぶ。

 定時に来て、仕事しないで帰る人に無駄金払ってどうなるのだ?

 私は仕事が出来なくても、やる気のある人は好きだ。私の統計では遅刻して来る人は定時に来た人の3倍は働く、そして、成果も出している。

 夏休みに学生さん達がアルバイトで、入って来る。やる気は満々だが、仕事が出来ない子、其なりに仕事は出来るが、人が見ていないと、サボる子。

 私はやる気がある子は何とかサポートする。しかし、サボる子は挨拶だけで、何も言わない。後で、困るのは自分だから、失敗した時は気付かない振りをする。

「ご免なさい。どうすれば、いいですか?」

と、言われたら助言はする。

 ある東京の女子大生が

「のぞ美さん、おじ様にマンションで囲われたくありません?」

と、言ってきたので、

「別に・・・」

と、後は自分から話す気はなかった。

 主任に

「あの子、頭良いからサボるの気を付けてね」

と。頭が良いのではない。単なるズル賢いだけだ。他にも頭が良いが真面目に仕事に向き合う子もいる。

 単なる混みようではないのだ。皆、最初はイライラするが、ランニングハイと同じく、一線を越えたら、何でも可笑しく笑ってしまう。皆、壊れながらもスムーズに事が運んで行く。

 私は社会人だったが、大学生や高校生と真剣にぶつかりあった。勿論、好きな子達だけだが。他の社員は子供だからと、相手にしなかったが、私だけ本気で喧嘩した。

 私は主に3階だったが、2階に来ていた大学生がいつも、遅刻して来るらしく、英語が話せたので、重宝されていたが、私も遅刻常習犯というのを聞いたのだろう。私に

「だって、眠いんだもの、ねぇ~、のぞ美さん」

と言ったので

「バイトはまだしも、大学の単位取れなくて留年したら、ご両親が泣くよ~」

と、お互い頑張ろうと言う仲の男の子は何故か、私に

「俺、筆下ろしが遅くって・・・」

誰も聞いてないってば(笑)。

 後、私に社員の男性が

ソープランドに行って来ます」

と、態々伝え無くていいのに。なんなんだろう?男の人って。