こっしー
マドンナのライブに行った、担任で、英語の教師を私達はこっしーと呼んでいた。
初日に、私は志望校に落ち、滑り止めの学校だったので、もうどうでもいいやっと、思っていたところに、こっしーがやって来て
「お前達は望んでここに来たのとは違うかも知れない。だが、我々、先生はお前達が分かるまで、教えるつもりだから、大学で逆転してやれ!」
と、言った。
まずは、あから自己紹介で、なになり、私は
「ツェッペリンや、ビートルズを超えるミュージシャンになるのが、目標です。ヨロシク」
と、後で仲良くなった級友に怖い人というイメージを与えたらしい。
そして、帰る時、こっしーが
「今日から、これを毎日配るから、持って行きなさい」
と、1年H組新聞と、ガリバン(今では死語だろうが)で刷られた紙を渡され、仲の良い社会科の先生がイラストを描き、こっしーの自己紹介が載っていて、読んで絶句した。
なんと、こっしーはビートルズのジョン・レノンが大好きで、ミュージシャンを目指すも、挫折。何をしたら良いか?と、考えて、英語がビートルズを好きだから、得意なので、英語の教師になろうと今に至ると、書いてあるではないか!
その、先生の前で私はあんな事を言ってしまった、きっと、嫌われた、生意気な女の子と思われたと、血の気がひいた。
しかし、先生はこんな私を応援してくれていたのを後になって気付く。
俊彦も、明学の英文科で、親が教師だから、英語の教師になるのだろうなと、思っていたと聞いた事がある。
本当は社会福祉科に行きたかったらしいが、潰しが効く英文科を薦められたそうだ。
もしかして、こっしーが、ミュージシャンになっていたら、俊彦の様になっていて、俊彦が幸ちゃんに出会わななければ、こっしーの様に英語の教師になっていたかもしれない。
今、私は何とか生きていると、こっしーに伝えたい。