男女平等の名のもとに

 私が前に勤めていた、職場で女性が部長になった。

 ある男性は

「女性が部長かよ」

と言った人もいたが、アンタより、仕事が出来るからだろう?と、思った。

 そして、我が社はその女性部長を大々的に地方の雑誌に載せた。

「我が社は女性でも出世させます。男女平等ですよ」

と。

 しかし、他の女性社員は休憩室の掃除をやらされたり、仕事と関係の無い雑用ばかりをやらせた。

 男性には掃除や雑用は無い。

 男女平等を売り物に、箱を開けたら男尊女卑の世界。

 会食で出されたお頭を捨ててる私に

「魚を怖がってたら、結婚できませんよ~」

とある調理師が言った。

 私は心で

(アンタの奥さん、可哀想。お前みたいなのが、旦那で!)

と、吐き捨てた。

 あの時、言ってやれば良かった。

「日本の家政婦・売春婦制の結婚はする気がないから、ご安心を。私の夫になる人は外で働き、家でも働く。私は黙ってそこにいるだけでいいと言う男性しか相手にしないから!」

と。

 女性も女性で、料理作らなくてはいけないと思い込んでいる。

 そして、腰掛けで働くのは結構だが、男性より、出世したいと思っている、私の足を引っ張るな!

 「どうせ、結婚して会社辞めるんだし、いいっかー」

何がいいっかーだよ!

こちとら、母を養わなくてはいけないから、一家の主並みの給料が必要なんだよ。

 それには平より課長、末は会長になりたいんだよ。

 しかし、女の私がいくら働いても、出世させてくれない。それどころか、可愛げがないと思われる。

 私は社内恋愛をしに会社に来てるんじゃない。働きに来ているのだ。

 無音で叫んでも無駄だった。

 会社のシステムは男性有利に出来ている。

意見を言う女、働く女は邪魔なだけ。

働くだけ、働いて、結果が良ければ男の手柄。

 中にはそんな私を認めて下さる人もいたがごく少数だ。

 世の中、多数派だ。マイノリティは排除される。

 女性が稼げるのは芸能人やホステス、看護師、美容師位だ。

 一生独身でも、大会社の社長の愛人になり、男から養ってもらっている。

 真正面から、戦いに挑む私が馬鹿なのだ。

 女の色気を使って這い上がる人もいるが、そういうやり方は私は嫌いだ。

 何故か、女っぽく見られる私だが、中身は激しいタイプなのを見抜いたのは当時の彼氏だけだった。

 働き過ぎだと注意された。手を抜くところは抜かないとと。

 去年から、新しい仕事をしているが、本来、物覚えが悪く不器用だから、仕事はまだまだだ。

 しかし、今の職場は自分が頑張れば自分に返って来る所なので、自分との戦いだ。

 もう少し、ズル賢くなれたら良い生活になるのだが、亥年産まれのせいか、猪突猛進、まっしぐらだ。

 笑顔でいきましょう。