気分は17歳

 2022.6.24

 

 皆さんも、ご存知の通り、私は小学6年から、ず~っと、高見澤俊彦さんが、好きだ。

 そして、歌手になると、決めていたので、彼氏はつくってはいけないと思っていた。

 23歳まで彼氏がいなかった。

高校にもなれば、皆、彼氏かいた。私に

「どうして、中田さんに彼氏が出来ないんだろうね~」

と言われた。

 私の好きな人は俊彦だからと言っても、皆、単なる熱狂的なファンだと、思っていたらしく、私の心の中までは見えなかった。

 私にしてみたら、好きな人がただ、TVに出ていた、有名人だっただけ。

 高校の3年間も、彼氏はつくらず、17歳年上の男性を好きな少女には、10代の男の子は近付きたがく、教師達に相談を持ち掛けられる始末。

 どこか、大人びた印象を与えていたのだろう。

 そのまま、社会人になるも、職場は不倫と、妻子持ち、独身は20代の考えがお子ちゃまな、物足りない男性ばかりだった。

 学生の頃とは違い、俊彦が好きと言うのを隠して働いていた。

 上司はまさか、自分より年上の男性を好きだとはつゆとも知らず、若い者同士と、あてがおうとするが、昨夜、ナンパした話しを私にしといて

「好きです」

と言われても、どう貴方を信じたら良いの?と、若い男の子の考えが、分からなくなっていった。

 そして、職場を転々とする日々。

休憩は本が友だった。

 くら~く、バンド等やっているとは誰も想像つかなかっただろう。

 21歳の時、デパートの中に入っている、アクセサリーショップに勤めていた。

 店長は若い頃、不倫をしていたらしく、婚期を逃して、一人でマンションに住んでいた。本店は札幌にあり、電話が掛かって来て、私が出ると、事務の男性が

「中田さん。どうか、辞めないで下さい!」

と言われた。

 店長が店員を苛めて、皆、辞めて行くらしいのだ。

 私も、何度か言われて、頭に来たので、返事をせず無視したら、そういう人に限って反抗されるのに弱いらしく

「中田さん。でしょ?でしょ?」

と、面白い事に私の顔色を伺うのだ。

 1ヶ月後に一つ年上の女の子が入って来た。女性3人集まればなんとやらで、その子も不倫真っ最中だと言う。

 私は恋愛の話しは苦手だったので、少し離れて話しを聞いていた。

 店長に

「中田さんは幾つになったら、結婚したいの?」

と、訊かれ、考えた事もなかったので

「しません!」

「駄目よ。結婚しなきゃ!」

私は人の事より、自分の心配しろよ!と、思った。

 お隣はハンバーガーショップで、日中は主婦が、夕方から学生さんがバイトに来ていた。

 ある、高校生の男の子が、お手洗いから、ズボンのポケットで、手を拭きながら出て来たので、ハンカチ持っていないのかしら?と、考えると、その子の事が好きになっていた。

 私はどこか、駄目なところがある人を好きになるらしい。

 もう一人の男の子は背が高く、なかなか、イケメンだった。

 ある時、その男の子が私をジーっと見ながら、歩いて行った。

 私は挨拶も無く、私に何のようか?と、今になって気があった事に気付く。

 もう一人、電気店に勤めていた、190cmはある、イケメンの店員さんが、私を好きだった事に職場を辞めてから、気付く。

 私に寄って来る男性は皆、背が高かった。

そして、私は色恋沙汰に疎かった。

 私はもう一人の女の子に

「実は、ハンバーガーショップの学生の事が好きになってしまった」

と言うと

「背の高い子?私も、年下の子を育ててみたいな、自分好みに」

と言ったので

「違う。背の低い方」

と言うと

「私なら、イケメンの方がいいな」

と、その男の子に見つめられた事は伏せた。

 バレンタインが近く、街は色めき立つ。

ガス会社に勤めていた、元同級生に相談すると、一つ年下の上司が代わりにプレゼントを渡してくれる事になった。

 私は紫色のチューリップと、ハンカチと、チョコレートを入れて、その男性に託した。

 その男性曰く、プレゼント渡した時

「だれ~!そんなの渡した女性(ひと)」

と、どうやら、彼女だったらしい。

 私は好きになると、相手が結婚しているとか、彼女がいるとかの、下調べをしない。

 マズかった!そりゃ、高校生とも、なれば

彼女の一人や二人いても、おかしくない。

 次の日、その男の子の友人たる、眉毛がない子等、20人位で、デパートの中を探し回っていた。

 私は年甲斐もないと感じて、思わず隠れた。まさか、私みたいな、年上からだと思っていないだろうから。

 そして

「いねぇ~!」

「誰だ?」

と、話し合っている。

 その内、背の高い男の子が、私を指差したら、その男の子が

「まさか~」

その、まさかなんだよ!

 高校生の頃に彼氏がいなかったから、時をまきもどすかのように、恋をした。

 ハンバーガーショップの学生さん達が私らしいと、感付いたらしく、いつも、彼女と一緒に帰るのに、バラバラに帰って行ったり、彼女を呼び止めて、何度、謝ろうと思った事か。

 しかし、外見は30代くらいに見られていた私は最後まで、自分ですとは言えないまま、そこを辞めた。

 そして、私の元同級生の女の子と、プレゼントを渡してくれた、男の子が付き合う事になった。

 ある意味、私は恋のキューピットだ。

めでたし、めでたし、じゃない!笑。