精神病院の人々

2022.8.19

 

 精神科にはいろんな病気の人がいる。

男女別れて入院させる病院もある。

 程度に寄って、分かれている場合もある。

解放病棟はない。

 広い所でも、pm9~am6時まで鍵を掛けられるのが、一般だ。

 患者の身を守る為もあるし、医療者側も、疲れないためだ。

 中にいても、皆が寝静まった時に起きてきて、食堂の椅子を全部倒す人がいたり、騒ぎ出したりするので、医者も看護師も気が気じゃない。

 常に緊迫してないといけないのだ。

 入院したその日にベルトや、ドライヤー等、首が括れたりするものは全て預ける事になる。

 症状が重い人は閉鎖病棟、若しくは保護室に入る。

 元ヤクザとかもいる。

所謂、覚醒剤から、離れる為に入るのだ。

 脳に異常があり、余り考えられない女性が、裏山に連れて行かれて妊娠してしまい、病院側で、中絶処理したり。

 勿論、その男性患者は違う病棟にやられたが。

 病院中が誰と誰が出来ていると、古い人ならば知っている。

 生活保護に入って、親兄弟からも、見捨てられ、仕事も出来ずに病院暮らしな人もいる。

 自由などない。朝起きて、ご飯食べて、夏場でも、お風呂は週二回で、テレビを観て、時間を潰す。

 会社を倒産させて、奥さんにも逃げられ、入院してる人。

 自分のある時期の記憶が全く無い人。

様々だ。

 なるべく、早く退院した方が良いが、重病になれば、出られない。

 自分は病気じゃないと、訴える人がいるが、そういう時は大抵病気だ。

 患者の素行が悪くならない為に地下室にパチンコを置いてある、病院もある。

 レクリエーションたるもので、カラオケ大会やら、運転会をしたりする。

 私は日舞と陶芸と絵画を習っていた。

身体の方は別段、疲れていないからだ。時間が勿体なく、近くの古本屋で、イタリア語やスペイン語ギリシャ語等の本を外出した時に安く買って来て、病院で読み、分からない処をフランス語が堪能だった、当時の主治医に診察の時、訊いたりしていた。

 しかし、鬱が酷い時はなかなか起きれず、朝6時に無理矢理起こされるので、とても、苦痛だった。

 アルコール中毒な人は外出した時、近所の酒屋で一杯引っかけて来て、病院へ帰る。

 自己管理が出来ない人もいたから、お金を全て、預けさせられたりもした。

 私は病気ではあったが、考えはしっかりしていたし、看護師にも、医者にも、違う事は違うと言うので、特に女性からは冷たく扱われた。

 男性患者に口説かれたりしたが、ここは病院だ。

 私は彼氏を探しに来ているのではなく、治しに来ているのだ。

 普通に働いている人は避けられるだろうが、逃げ場がない。

 守ってくれる人もいたが、病室へ逃げるしかない。

 さすがに病室は男女別々だったから。

 私は一番、最初に入院した所が一番合っていた。

 お風呂じゃない日でも、シャワーを浴びれたし、希死願望が無い時は割りと自由にいさせてくれたからだ。

 希死願望がある時は手足ベッドに縛られ、猿ぐつわをされる。

 死ぬ事も自由では無いのだ。

 実際、退院した後に自殺してしまった人も私の友人でいるし、入院中にした人もいる。

 一種の社会だ。人が集まるのだから、当たり前だ。

 他にも、書ききれない事がある。

 しかし、精神科と言うだけで、偏見で思われるのは心外だ。

 皆、明日は我が身なのだから。