ガス屋さんが来た❗

 引っ越しして、約1年になる。

 前の市営住宅は都市ガスだったが、今のところはプロパンガスだ。

 私は専ら、シャワー派だ。

 半身浴をした事もあるし、電気を消して、キャンドルの灯りで、湯船に浸かった事もあるが、気が短い。

 お風呂のお湯が勿体無い位に早く上がってしまうので、シャワーにしている。

 本来は健康的にも、美容的にも、お風呂に浸かった方が良いのだが。

 シャワーを浴びていると、水になり、一度、止めて、また出す。

 ゆっくり熱くなり、今度は皮膚が赤くなる程、熱い。

 だから、水を出すと、今度は冷水に変わる。

 出したり、止めたりの繰り返しで、疲れてしまう。

 皆、そうだと思っていた。

 ある時、不動産屋さんが来て、氷止めのやり方を伝えにいらした。

 そして、何気なく、お湯の話をしたら、寿命だそうな。

 そりゃないよー!半年も、分からなかった。

 「今、給湯器が品薄で、3月位になります」

と、去年の12月に言われた。

 気付くと、4月も末だ。

 忘れられていると思い、不動産屋さんに電話を掛けた。

 「申し訳ございません。まだ、受注出来ない状態なのですよ。分かりましたら、お電話差し上げます」

と言われて、仕方ないと水と熱湯と戦いながら、シャワーを浴びていた。

 今日、新しい給湯器が来た❗

 ピンポンがピポンと鳴ったので、せっかちな方だなと感じた。

 20kgあるという、給湯器を外して、新しいのに取り付けて下さった。

 途中、何度かネジだのを落としながら。

もしかして、私と同じく、おっちょこちょい?

と、思いながら。ジーっと、見ていた。

「30分位、かかりますから、座っていて下さい」

に、私は

「ご免なさい。気が散りますよね?」

と言うと

「皆さん、珍しがって見られるものですから、僕は構いませんが」

に、私の質問攻めが始まった。

「工業学校で学ばれたのですか?」

 その方は仕事で覚えたそうで、取り付け工事しか出来ません。電気は全く駄目ですと、謙遜なさった。

 「矢張、こうしたお仕事は男性が向いてますね」

と言うと、慣れたら女性も出来ますよと、言ったが、今の私には無理だ。

 操作の説明をして、帰ろうとした時、律儀な私だ。

 缶コーヒーを準備していたが、ビールを飲む顔をしていたので、ビールを2本、袋に入れて、差し出した。

 「いえ、いえ、お気遣いなく!」

に、もう一度、差し出すと

「お言葉に甘えて・・・」

と、受付取って下さった。

 今頃、呑みながら、変なおばさんだなと思われているだろう。

 給湯器とエアコンは大家さん持ちなので、助かった。

 エアコンなんて、人生初!

操作方法を看護師さんや、ヘルパーさんに聞きながら、除湿は電気代が高く付くから、使わない方が良いと、教えてもらった。

 それまで、扇風機とうちわと扇子に冷えピタと、氷枕で夏をしのいでいだ。

 今日から、格闘せずにシャワーを浴びれる。

 ガス屋さん、ありがとう‼️