どもるんです!

 私は乞音だ。云わばどもってしまうのだ。

 よく、裸の大将こと、山下清さんと言うとわかるだろうか?いつも、おにぎり🍙食べている絵描きさんだ。

 うが特に吃りやすい。

タクシーで行き先を伝える時

「う、う、う、うしじま」

となる。思わず笑われる。笑って下さるならまだよいが、無表情で対応されると、辛い。

 父と電話で話していた時は吃っていなかった。

 父が亡くなってから、吃りが酷くなった。

 不思議と唄う時は吃らない。

 文章を読む時も大丈夫だ。

 しかし、自分の思いを伝えようとすればする程、吃りが酷くなる。

 ここ最近は何とか大丈夫だ。

どもるからだという本を読んだ。

 意外な方が乞音者で、少し安堵した。

 余り思いを伝えようとしない事に決めた。

あと、人は私に優しく接してくれる。私が言いたい事を汲み取って

「〇〇ですね」

と言ってくれるから、私は

「はい」

と言うだけで済む。

 電話が一番困る。対面だと身振り手振りや表情で相手も分かってくれるが、電話は声しかない。

 吃るのならまだしも、声が出て来ない時もある。向こうはこの沈黙はなんだ?となる。

 先に自分は乞音があると前置きする。

 少し、調子が良いと、乞音だった事を忘れて、また、躓き(つまずき)乞音だったと思いだす。

 よく、歌うように話し、話す様に歌えと言うのは私みたいな人間にとって尚更だ。

 また、言葉でも、躓いている。

 私の良いところはどこ?