花を飾ろう

 私は病気のせいにはしたくはないが発達障害が入っていて、片付けが出来ない。

 片付け上手な人は定位置に物を使ったら、戻せば良いんだよと、簡単に言うが、私は見えなくなったら、分からなくなるのだ。

 だから、読みかけの本や、使う文房具等、全て半径1m以内に置いてしまう。

 掃除はするが、定位置を決めても、いつの間にか物がテーブルの上やベッドの上に、また戻ってしまう。

 しかし、スーパーで、安い薔薇やチューリップを見つけると、おかずを削っても買ってしまう。

 お花屋さんで、買った事もあるが、金額的に大変なので、スーパーで、いきのいいのを買う様にしている。

 お花は出荷するのが、確か、月水金なので、火木土に買った方が良いと聞いた事がある。もしかして、逆かも知れないが。

 スーパーで、買い物をした時、綺麗でまだ、これから咲くだろうなと思う花を購入する。

 自転車で食材と一緒に飛び出た花をはためかせて帰る時、少しだけ気分があがる。

 武士は食わねど高楊枝と言ったところだろうか?

 食は大事だが、一品買うのを我慢して、花を買うと心はいっぱいになる。

 部屋は他の人から見たら、片付いていない様に見えるが、台所と、部屋に2つ花瓶にさしているから、私は満足だ。

 中原淳一さんの本を読んでから、ハンカチを5枚持って歩く様になった。

 後、ミニ裁縫道工を持って歩いている。

 ある時、バイトの高校生の男の子のボタンが取れそうだったので、付けてあげたら、尊敬された。

 たった、これだけの事でも、尊敬されるのだ。

 私は男女平等主義だが、だからと言って花をかざるとか、ハンカチを持って歩くとかをしないと言うのは違うと思う。

 一時期、ウーマンリブでスカートは履かない風潮があったが、それも私は違う気がする。

 今は太ったのが第一の理由だが、もっぱらワンピースを着る。

 男性にとってスーツを着こなせたら一人前なのと同じ様に、私にとってはワンピースなのだ。

 一時期、整形外科で知り合った年配の女性の着物が素敵だったので

「着付けとか出来て凄いですね」

と言うと

「着付けは習わない方が良いわよ。自分で自己流で良いの。それに初めはお金掛かるけど、後は、襟具りだけ取り替えれば良いから、洋服より、お金掛からないわよ。やって見たら?」

と勧められ、流石に新品は無理なので、メルカリで安く買った。

 しかし、私は自転車だから、一度、病院に着て行っただけだったが、スーパーで、またまた、素敵なご婦人が着物を着ていて、自分は自転車だから、と言うと

「私が若い頃はもんぺを下に履いて乗ってたわよ。やってご覧なさい」

とアドバイスをいただいた。

 私は素敵な人を見るとついつい、声を掛けたくなる。

 綺麗な色の髪をしていた女性に

「失礼致します。美容院はどこへ行かれているのですか?余りに素敵だから」

と訊くと、褒められて嫌な人はいないらしく

「〇〇美容院です。少し高いですけど、巧いですよ」

と教えてくれる。

 それにしても、札幌で、SOFT BALEETのライブに行った時、長身の男性が長い髪に長い巻きスカートをして、堂々と歩いていたので、カッコいいなと思った。

 しかし、地方では勇気のいるところだろう。

 私は自分は自分と考えるので、時たま、人を驚かせるメイクやファッションをしてしまうが、上には上がいるなと感じた。

 花は母が詳しかったが、私はよく分からないが、美しいと思ったものを買う。

 花を飾っていたら、お腹は減っても、心は満たされる。不思議だが目からの栄養も大切だと感じるのは私だけだろうか。