連れ合いの条件
2022.8.1
大学病院で知り合った、年下の男の子から
「いつでも、掛けて❗」
と、自宅の電話番号を渡された。
何ヵ月した後に電話を何気なく掛けた。
そうすると、お母様が、出られて
「もう二度と、ウチに電話をしないでください」
と言われたので
「お宅の息子さんから、電話番号を教えてきたのですよ」
といっても
「はい。掛けてこないで下さい」
と、私は呆れて切った。
どこの親も考えているのは皆同じ。
たとえ、自分の息子が病気であろうと、一緒になる人は健常者がいいに決まっている。
私が大学病院に入院して、精神疾患を抱えているのは分かっている。
だから、何も言わずに電話するなと、母親は言ったのだ。
昔の結婚の条件に必ず健康な人と、挙げられていた。
子供を産んで欲しいからなおさらだ。
私の知り合いで、妊娠中でも、飲んで良い安定剤を服用しながら、入院して、出産した人もいるが、大変だったろう。
安定剤を飲んだ人から、奇形児が産まれてくる確率は高い。
その母親は看護師をしていたそうだ。
男の子から、聞いていた。
他人の患者には優しいが、いざ自分の息子の連れ合いになる人には厳しい。
それが、世の中だ。そして、病気持ち同士だと、共倒れになるリスクが高くなるから、J先生も、同じ病気の人とは一緒にならない方が得策だと言われた。
普通の母親なら、自分の息子の嫁になるには精神疾患がない人が良いに決まっている。
そして、自分の息子にそっくりな子供を産んで欲しいと願う気持ちは分かる。
だから、普通は安定剤を飲んでいても教えない人が多い。
私のように、境界性パーソナリティー人格障害なら、ニュースで、人を殺した犯人が、精神鑑定で、無罪になったりする一番多い病気だ。
気が狂っていると思われ、怖がられるのは仕方がないのだろう。
本当は真面目で、大人しいのだが、そうとられない。
杖をつくようになって、それがよ~く、分かった。
私が歩くと、皆さん道を譲ってくださるし、椅子も、私より、年上の方が譲ってくれる。
恐縮しかりである。
もう今の私に子供を産めと、言ってくる人はいない歳になった。
20代の頃
「煙草吸っていたら、良い赤ちゃん産めませんよ~」
と、今ではセクハラで、訴えられるだろうことを良く言われた。
「身体に悪いから」
の、注意の仕方なら、理解できる。
旦那はブカスカ吸って、嫁はダメだはあんまりだろうし、もし私が子宮筋腫などで、子供を産めない身体なら、どれたけ傷つくか、まるっきり、理解していないのだ。
女性も、そうだ。
「子育て大変!貴女に分かる?」
など、野暮なことを言う友人はいなかったが、職場の年配の女性からは
「いつ、結婚するの?子供はどうするの?」
と、訊いてもいないのに、いらぬアドバイスをしてくる、オバチャンたちはいた。
仕事が嫌ではなくて、そういうオバチャンたちをいかに避けるかで、行きたくない日もあった。
今の職場は有難いことにそういう人はいない。
健康なら、なんでもできる!
まず、私はきちんと食べて、ぐっすり眠ろう。それから、始めなくっちゃ。