目立ちたがりや

 小学4年から生徒会に立候補が出来る。

 父がお前が皆を引っ張って行け!といつも言われていたので書記から立候補した。

 4、5、6と惨敗。皆、分かっていたのだ。私に任せたら危ないぞ、と。

 そして、売られた喧嘩は

「女の私にやられたと、恥を掻きたいならいつでもかかってきなさい」

と、言う女の子だったので、男子からは生意気❗女子からは虐められると思われていた。こんな奴が生徒会に立候補するのが間違いなのだ。

 私と同じ様に女子でも、発言権を持ちたいと、感じていた女の子が

「中田さん、私、もう止めるわ。今度落ちたらやって行けない」

と、言ったので、私は会長に立候補した。

 推薦員に田中君と言う、みんなの人気者を迎えたので、今度こそはと、結果をみると、10票差で、相手の男の子に負けた。

 よく、自分はなりたくないのだけど、周りがそうさせると言う羨ましい人もいるが、私はお前じゃないよと言うのに出ていくタイプだった。

 流石に全敗をし、少しは落ち込んだが、私の事だ。直ぐに忘れてしまう。

 中学になり、偶々、会長になった男の子と、帰りが同じく、なんとお姉さんがバスケ部の先輩だった。彼は私に

「俺の姉さん言ってた。あの顧問じゃ、うちら負けるわって。中田は頑張れよ」

と言うと、ポツリと、

「会長には中田がなった方が良かったな」

と言われ、ライバルだったが、お互いを尊重し合えていた。尊重し合うのが善きライバルだろう。彼の言葉にオール落選の私は救われた。