翔んで高見沢

 何故、私は高見澤俊彦さんが好きなのか?

好きに理由などなく、全て後付けになってしまうだろうが、彼は短距離走のペースでマラソンを走っているからだ。

 普通、マラソンを走る時、42.195kmの長丁場、まずは先頭集団の中に入りながら、後半で、追い越す為に体力を温存して走るだろうが、彼は短距離走のペースで始めから全速力だ。

 周りは今にバテると思いきや、そのままのペースで走りぬく。

 BOOWYの様に売れた頂点で解散したバンドは美学があり、伝説になるから、カッコいいだろう。

 しかし、THE ALFEEは今も走り続けている。時には転ぶ時もあるだろう。カッコ悪いと思われるだろう。

 当の本人がここまで、続くとは思っていなかっただろう。

 私は転んだ、カッコ悪い俊彦も全て含めて好きでいる。

 普通、ソロをやると、バンドはお休みするのだが、彼はソロはアルフィーの為とどちらもやってしまう。

 バラエティー番組に出たりするのはアルフィーを知ってもらうためだ。そのためなら、人から笑われても、構わないと、バラエティーに出た位で駄目になるバンドではない。

 自信があるから、モノマネや笑いを誘う事が出来る。

 よく、デビュー仕立てのバンドの若い男の子が

「俺達は音楽で勝負してるんで、笑い取ったりしません」

と、言うが、それはそれで、ポリシーがあるから良いが、そういうバンドに限って、お笑い芸人さんを馬鹿にした笑いしか取れないし、コントをやって、いざ歌に入ると音楽が成立しなくなる。

 アルフィーは歌を聴いて貰えなかったから、笑いを取って、人を振り向かせて歌を聴かせる。黙ってたら、歌が売れる以前の問題で、聴いて貰う為に必死だった。

 始めはアイドルとして、筒美京平さんと松本隆さんのゴールデンコンビが

「高見沢君の為に創ったからね」

と、言われ思いもしなかった、ハンドマイクで、歌わされ、銀座NOWで公開リハーサルの時、ディレクターに

「お前、カラオケでも歌えないのか!?」

と、言われストレスで、喉が腫れたらしい。

 つぶあんじゃなく、こし餡じゃなく、メリーアンで私が知るまで、色んな事があった。

 初めて彼を見た時、何故かとても恥ずかしくなった。二回目は親戚のおばちゃんの気持ちになり、

「TV出るのに服がないなら、ウチの旦那のスーツ貸したのに」

と、当時赤のスーツで出て来て、まだお金がなく一張羅なのだなと私は思ったからだ。

 そして、髭にサングラスを掛けた桜井さんが、

「あなたを見た~」

と、女性に対して、お前でも、君でもなく、あなたと歌うのが、不思議だった。

 私は幼い頃から作詞、作曲、編曲者を必ずチェックしていた。

 作詞、高見沢俊彦高橋研、作曲、高見沢俊彦

「あれ?さっき自己紹介した、色の白い、細くて神経質そうな人が創ったの?」

と、同時に

「僕は女性をあなたと言うよ。それの何がおかしいの?」

と、宣戦布告した様で、本当は男らしい人なんじゃないか?と、感じたし、一本筋が通っている男の人だと感じた。

 色々調べると、幸ちゃんが4月15日、俊彦が4月17日で、私の誕生日が4月16日で、間に挟まれてよく、前から後ろからとか、上から下からと、しょうもない事を言って笑いを取っていた。

 そして、血液型が同じA型だから、生きにくかっただろうなと想像がつく。

 B'zの松本さんがずっと自分は牡羊座のA型だから、生きにくく、ヒット曲が出ないのだと思っていたら、ある時、O型だった事が分かり、途端に性格が変わりB'zが売れ出したと言うお話を聞いて人間の思い込みって凄いなと思いました。

 俊彦が織田信長の話を一時間も話せると聞いたが、私は高見澤俊彦の事なら三日三晩話せると思う。ご本人より、知っているかも知れない。自分の事は意外と忘れているから。

 高見澤俊彦検定があったら、俊彦以上に点数が取れると思う(笑)。

 後、ミュージシャンは売れたら豪邸を建てたり、スタジオ造ったり、マイジェト機を持ったりするが、彼はご両親とお兄様夫婦に二世帯住居をプレゼントしたが、自分はアパートやマンションに住んでいる。家がないんじゃないか?とまで言われている、リッチなホームレスだ。

 その代わり、ギターとフィギュアの数は日本いや、世界一だろう。

 よく、

アルフィーの高見沢はギターコレクターで、ギタリストじゃないよ」

と、仰る方がいらっしゃるが、俊彦にギターのテクニックがどーのこーののレベルではない。そんな事は他のギタリストに任せればいい。

 高見沢俊彦はそこにギターを持って立っているだけでいい人だ。

 まだまだ、話足りないがひとまずこれにて・・・。