シエスタ

 事務の仕事をしていた時、飴を貰い、舐めながら作業をしてて、突然、睡魔が襲って来て、ヨダレを30cm位垂らしながら、ウトウトして慌てて起きた。

 周りを見渡して、愚かな姿を見られなかったか確認して、誰も見ていなかったので、何とも無い顔で、業務を続けた。

 帰り際、男性社員に

「中田さん、これから家へ帰るの?」

と訊かれたので

「夜から、コンビニでバイト何ですよ。真夜中まで」

と伝えると

「だから、眠たそうにしてたんだ」

と言われ、もしかしてヨダレ垂らしたの見られていたのか?それは流石に聞けなかった。

 1カ月のバイトだったが、お役所の方はサービス業と違い仕事は勿論するが、どこか穏やかで、のんびりしている。

 適度な休憩と仕事に見あったお給料を貰っているからだろう。

 同じ事が看護師さんにも言えて、きちんと仕事する看護師さんと、まるで独房の管理人のように患者に命令する看護師さんと、病院に寄って特徴が正直ある。

 特に私は女だから、女性看護師さんに嫌われた。違う事は間違っていると言ってしまう私だからだ。

 内科に入院した時、男性患者さんに

「駄目だよ。看護師さんの言う事聞かなくちゃ」

それは精神科じゃなくて、男性だから分からないのだよと心で思った。

 精神科は他の科と大分違う。

 希死願望が強い患者にはベッドに両腕、両足縛り、猿ぐつわされる。自らの命を経たない様に、仕方ない処置だが、親御さんにすると、見るのが辛く、もっと柔らかい規則の病院へ転院させたは良いものを案の定、経ってしまったり、電気ショックで、何を話しているか分からなくなった、男の子を見た時は、流石の私も、辛くなった。

 精神科は入院した、もしくはさせた人じゃなければ分からない、独特の世界だ。

 偏見では見ないで欲しい。患者さんは皆、精神科に入院していない人以上にマトモな人が多いのだ。

 唯、自分が心が病んでいるのに気付いたか、知らない振りをしたかの違いなのだ。

 私の知っている人で、アンタの方がよっぽど病気だよ!と言いたくなる、普通の人が沢山居る。

 精神科に入院している人は人生のシエスタ(お昼寝)をしているだけなのだ。

 私は色々な病院に入院したので色んな話がありますが、それはおいおい、お話致します。

 そう。人生、突っ走るだけでは見えない景色もある。まぁ、見なくて良いのに越した事はないけどね。