少し落ち着けって

 私は亥年産まれの牡羊座のせいか、猪突猛進、他の人が考えている時、もう、突っ走っている。だから、失敗も、多い。おっちょこちょいなのだ。

 バスケで他校の練習試合の時、案の定弱小チームのレギュラーが20点差になり、私達サブチームと交代した時、相手チームの男子に

「サブに負けてたら、笑われるぞ!」

とのヤジに思わず、ドリブルしていたボールを顔面にぶつけてやりたかった。

「ウチラはレギュラーより、サブの方が巧いんだよ」

と、心に秘めて。皆、悔しかったのだろう。

 高校へ行って、皆で中学校で、落ち合った時、キャプテンでレギュラーになった子が

「私、皆に本当にサブだったの?と、訊かれるよ!今、キャプテンでレギュラーだよ!」

と、中学の顧問の先生に詰め寄っているのを見た時、私と同じく、辛く、悔しい思いをしたのだなと、改めて感じた。その子が

「トラ(こう呼ばれていた)も、高校バスケ強いんだから、やれば良かったのに。貴女だったら、レギュラーでキャプテンになれたのに」

と、言われたが私の中では中学でバスケは終わりと、思っていたが、学校で、体育祭があり、バスケ部ではなかったので、バスケに立候補して、第一回戦に3年生と試合をした。

 そのクラスにバスケ部のキャプテンの方がいて、応援に回っていた。審判はバスケ部の顧問の先生。

 バスケはボールをホールドするとそのチームの物になるのだが、皆、素人だから、私がホールドしたボールを相手の5名が取ろうとして、私は倒れて頭に来て、ボールを上に投げつけた。

 そのボールが、3年生の先輩の顔に当たり

「痛ーじゃねーか!この野郎!」

と、襟具利を捕まれ、普段の自分なら、直ぐに謝っていたところだが、

「お前らが、先に反則したんだろーが!」

と、言ってしまい、先輩の手が私から離れて、向こうのチームも、顧問の先生も、驚きのあまりシーンとなってしまった。

 いくら素人とはいえ、何が反則か位、勉強してからバスケをしろと言ってしまった。

 自分でまだ、バスケを愛してた事に気付かされた。

 試合は3年生の勝ちで終わった途端に申し訳ない事をしたと、幾らなんでも、女性の顔にボールをぶつけたのは完全に私が悪い。

 そそくさと、3年生の先輩に

「申し訳ございませんでした!」

と、頭を下げに行くと

「私も大人気なかった。ゴメンね」

と、言ってくれた。

 暫く経ち、3年生の先輩達が

「あの娘でしょ?」

「うん、でも、もう謝ったから・・・」

と、ちょっとした有名人になっていた。

 私は普段感情をあらわにしないが、道理とズレている時は相手が先生だろうと、刃向かって行く。

 社会人になっても、男性社員に思った事を言ってしまい、

「なんでお前にそんなこと言われなくっちゃいけないんだよ」

等、可愛い気がなかったのだろう。

 自分の立ち位置が分からず、揉め事が結構あった。なんで私ばかりが当たられるのか?今なら分かるが、後悔はしていない。

 これが私だ。男性に嫌われても、通したい時は通す。自分の事は自分が好きなら充分じゃないか?

 変にアイドルの様に媚びを売ってまで、好かれなくてもいいのだと。こんな不器用な生き方しか出来ない私を好きだと言って下さる方もいらっしゃるのだから。

 このまま行くどー!!