私のアダ名

 2022.6.20

 

  私は中田のぞ美と言う。

小学生の頃は「のんこ」と、呼ばれていた。

 中学生になり、部活の友人の家に遊びに行くと、あだち充さんの、「みゆき」と言う漫画に「中田虎男(確かこう書いたはず)」と言う、先生が出て来て

「同じ名字だから、トラオだね!でも、女性だから、トラだね」

と、その日から、部活では「トラ」先輩からは

「トラちゃん」と呼ばれ、皆、呼びながらも、何故とらなのか、分からずに、先生方にも

「とら。なんで、とらって言うんだ?」

と、訊く始末。

 私は説明するのか、面倒だった。

グラスメイトには「中ちゃん」が殆どだった。

 高校生になり、グラスメイトが

「中田は中学生の頃、番張ってたんだよ」

と、冗談で言うも、その日から、「番長」になって、先生からも、「番長」と呼ばれた。

 そして、最悪なのが、ヘルプで入った、バンドのギターの子の家に遊びに行った時

「のんこって、呼ばれていたけど、響きがうんこ(お食事中の方、失礼)みたい」

と、私が言うと

うんこちゃん!そうしよう!」

に、その子のお父さんまで

うんこちゃんって、可愛いね」

となり、「うんこちゃん

になった。

 「とら」もそうだが、友人と、本屋で、私を探して

「とら~!」

と、友人が言うと、お客達が、皆、その子を見たらしく

「恥ずかしかった」

と言っていた。

 「うんこちゃん」も、バンドの練習の帰りに、自転車で走っていたら、車から、皆で

「うんこちゃ~ん!!」

と呼ばれた時は顔から、火が出る感じだった。

 その話しを友人が東京に住んでいる、お兄さんに電車の中で話したら、腹を抱えて笑い転げたそうだ。

 社会人になってからは、専ら

「のぞ美さん」

で通っている。

 後、「高見澤きちがい」「アルフィーきちがい」等と、呼ばれて来た事を働いている人は一切知らないし、言えやしない。