猫とおじいちゃん

 父方の祖父は寡黙で、気に入らないと、コップを祖母に投げる人だった。

 長男の父の娘、初孫だった、私。

 しかし、祖父は私に一度も話した事がないから、嫌われていると思っていた。

 祖父が亡くなり、写真を見ていると、母が

「おじいちゃん、猫大嫌いなのに、孫の貴女が好きだからと、無理して猫を抱いて写真に写ったのよ」

と、父以上に猫嫌いな事を初めて聞いた。

 その時、祖父は女の子とどう接したら良いか、なにを話したら良いか、戸惑っていたらしい。

 それを知って、もう少し、私から甘えれば良かったのだが、時既に遅し。

 だから私では無くて、2番目の孫の男の子にだけ話していたのだ。

 先程、伯母から祖母が亡くなったと連絡が来た。

 先にこのブログを書いていたので、何だか切なくなった。

 94歳の大往生だ!あっぱれ、おばあちゃん!