雨男は誰だ?

 今はやっていないが、THE ALFEEは野外ライブをしていた。

 必ず、雨が降る。

 TOKYO BAY-AREA位じゃないか?

晴天だったのは?

 因みに、単なる、ゴミ処理場の埋め立て地を東京ベイエリアと名付けたのはTHE ALFEEだ。

 次の年のオールナイトライブは雨で、前の席の人達は泥まみれだった。

 2003年の横浜は最強の雨と風。

真夏仕様で挑んだ、幸ちゃんの寒がりながらしているのに

「大変だなぁ」

と、感じた。

 雨で、手がふやけて弦を押さえるのはいくら30年やって来た人でも、堪えただろう。

 観てる人もずぶ濡れだ。

 こうなりゃ、雨との戦いだ!

 俊彦が雨避けのテントを外させ

「これで、一緒じゃないか?」

と、観客をよろこばせるが、化粧も何も全て剥げ落ち、最悪な環境で、それでもやる。

 そこに、人としての魅力を感じせざるおえない。

 だから、アルフィーマニアはやめられないのだ。

 音楽性も、勿論、必要だが、人として皆惚れているところがあるだろう。

 手を抜くと、人は分かる。

やる側が乗らなければ、観る側も乗れなくなる。

 私も一度だけ、外でライブをした事がある。

 私達は晴れ女だった。

 函館のデパートの通りの広場で、色んなアマチュアバンドが集まってやる、所謂、対バンだ。

 浜田省吾さんの歌をやっていたバンドのボーカルがリフレインを自分でしていて、ギターのしんちゃんが

「一人、浜省だ!」

と、笑っていたり、浜田麻里さんの高音を

「裏声、浜田麻里

と言ったりしてた。

 私達の番になり、音響のおじさんが、私に

「音まだ、出したら駄目だからね」

に、分かりましたと言っているのに、何度も私に言う。

 ギターとかの方も見なくちゃいけないんじゃないの?と思いながら、そのおじさんは私から、離れてくれず。

 そのまま、本番を迎えた。

 バンドだからだろうか?不思議と緊張しないのだ。

 むしろ、連帯感が産まれ、

「よし!やってやるぞー!」

という気になる。

 高校の同級生が観ていて、次の日、学校へ行くと

「中ちゃん、カッコ良かった!」

と言ってくれた。

 それにしても、若い頃、何故かおじさんに好かれたな。

 同い年の男の子には見向きもされないのに。

 なんでだろ?