ボーイフレンド
言葉通り男の子の友達だ。
それ以上でもそれ以下でもない。
F君は英語がぺらぺらだった。私はよく外国語を話せる人と友達になる。だから、分からなければ聞けばいいので勉強しなくなる。
F君と病棟外の喫煙所に行った陽だまりの午後、私はウトウトして、気づくと1時間が過ぎていた。
「ごめんなさい。1時間も寝てたんだ」
「うん、余りにも気持ち良さそうだったから起きるまで待ってようと思って」
と言ってくれたり、私が転院した先に彼氏面して困るから、彼氏のふりして
「いつものぞ美がお世話になっております。英語ペラペラです」
と言い、わたしも
「これからの時代、英語くらいは話せなきゃ駄目よね~」
と言って、離れろ作戦に協力してくれた。
それでもなお、その男性は離れてくれなかったが。
F君は私を見るなりタイプ4だ!と言ったので、何で分かった?に、だって、変わってるもの。それより、エニアグラム知ってんの?
「前に読んでてタイプ4だった」
「じゃ、村上春樹の新作は?」
「よんだ」
「じゃ、これは?」
「よんだ」
「全部、読んでるじゃん!」
に、驚いたようだ。皆、私が本好きなのを驚く。
外見は赤髪に濃いメイク、誰も本を読むようには見れなかった。
そして、私もタイプ4と当てたF君は只者ではないぞとかんじた。
F君も背が高かったが妹さんも
「でかい妹で~す」
と明るく見舞いに来ていた。
F君は理学療法士になる予定までは連絡を取っていたが、気づくと疎遠になっていた。
人はこうやって必要な時に必要な人と巡りあうのだなと感じる今日この頃です。