コネで生きてると・・・
函館で、ウェイトレスをパートでしていた。
私の働き振りが上司の目に止まり
「のぞ美さん、社員にならないか?」
と、言われたが、歌で身を立てたいと考えていたため、断り続けていた。
3年目を迎えた時、社員になっても充分だろうと思っていたが、一度辞めた高校中退した女の子がやって来て、社員になるという。
私はそうなんだ?位しか、思ってなかったが、会議で、課長とマネージャーが
「今度の社員は中田さんだ!」
と、一悶着あったらしい。
社員が無理なら、過去最高の時給にするべきだと言ったが、部長がそれも駄目だと言ったと言う。
私を呼び出して
「前回は男性でも、女性でも良かったから、佐々木君にしたけど、今回もMちゃんが、若いから、社員にする事にしたから」
と、訳の分からない理由を私に言った。
Mちゃんのお母さんがスナックのママさんで、当時の専務の愛人で
「家の娘、馬鹿だから、高校中退したけど、きちんと通っていたら、今年卒業で就職出来たのに、何とか娘を社員にして!」
と、泣いてすがったらしいのだ。
ある男性社員に
「Mが悪い訳じゃないからな」
と、言われたので一応頷いたが
「お前だったらどうする?」
と、聞きたかった。
その男性社員は仕事をする私が気に入らなかったのだ。
ここで人が分かる。私に味方する人と中立を取る人と、真実を知らない人はMに
「社員になっておめでとう!」
と、私の前で言った。
Mも
「ありがとう!」
と、言ったが、私だったらMの立場なら堪えられないだろうが、Mは平気な顔をしている。
心はあるのか?と、尋ねたかった。
家に父が来て、今度は尋常じゃない程、暴れたので、部長と、ツーカーの友人に
「社員だったら考えたけど、パートだから辞めようと思った」
と、伝えて辞めて函館を出たら、部長がMにいつも注意するようになり
「なんで、Mばかり怒られるの?」
と言って辞めたそうだ。
用事があり、総務部に行くと、専務が
「座って休みなさい」
という気の使いようだった。
悪いと思うなら、馬鹿な水商売の女を愛人にするなよ!
今思うと、課長はわざと飲み会の二次会にその愛人がやっているお店へ私達を連れて行った。
お水で愛人という割には顔は可もなく不可もなかった。
課長はその愛人に貴女より、イイ女性だよと見せに連れて行ったのだろうか?
その愛人は黙って水割りを作って私に出してくれた。娘の為にご苦労様と言ってあげれば良かったのだろうか?
でも、それを撥ね付けられる力が私にまだ無かったのも事実だ。
精進しよう‼️